今回の首里城火災は驚きました。
4年前に観光で訪れたのですが、まさかこのような悲劇になるとは・・・
建築的にも興味があるので今回は首里城について、調べてみました。
この記事を書いている私は、建築設計歴18年です。
公共設計を主に仕事をしており、今回の火災の甚大さに心が痛みます。
わずかですが募金をさせていただきました。
近年は水害など毎年予想だにしない自然災害が起こっています。
私の住む地域もいつ起こるか分かりません。
ボランティアで伺うことはなかなかできないので出来る範囲で支援できればと思います。
この火災被害の経験が次に活かされることを願い、国も再興に向けて積極的に対応をしてもらいたいと思います。
主要な建造物の7棟が焼失
👆マップに青丸で示した7棟の範囲が今回、焼失したとのことです。
・正殿
・北殿
・奉神門
・書院・鎖之間
・南殿・番所
・黄金御殿
・二階御殿
改めて火災の恐ろしさを感じました。
出火原因は特定されていませんが、ここまでの被害になったことは木造建築物の脆さや塗料などの仕上げ、そして天候などざまざまな要因が重なってしまったのだと思います。
今回の火災で初めて知った情報
・焼け落ちた正殿と北殿、南殿などは復元建造物であり、火災当時には文化財防災の対象外となっていた
・本格的な復元は1980年代末から行われ、1992年(平成4年)に、正殿などが旧来の遺構を埋め戻す形で復元された
・2014年に米国立公文書館から沖縄戦で焼失前の首里城のカラー映像が発見されており、それによると屋根瓦は赤色では無い事が判明している
・建屋は国の所有ですが、2019年2月1日以降、管理および運営が国から沖縄県に移管されていた
・1453年・1660年・1709年・1945と過去4度も焼失していた
不思議なのは過去4度も焼失した過去があるにもかかわらず、文化財防災の対象外となっていたことです。
そして正殿などにはスプリンクラー設備なども設置されていなかった。
近年、木造も耐火構造化が進んでいますが、歴史的建造物の保護がこれから重要になると思います。
今回は消火のための放水銃も使用できないほど火の回りが早かったとのことなので、合わせて防災の在り方も問われることになりそうです。
近年の耐震化などの対策をすることは「安全面」では当然なのですが、歴史的建造物の「良さ」が消えてしまうことも繋がるので、本当に難しい課題となりそうです。
復興に向けての取り組み
復元にあたっては資材や職人の手配、そして予算の確保など課題は多いと思います。
木造で復元する場合、火災の発生や延焼拡大の原因を特定したうえで、防火対策などを慎重に議論する必要がありそうです。
今回の火災を受けて今後、重要文化財が失われることがないように、国や地方公共団体が一体となって、あらためて老朽化の確認や防火対策・防火管理体制について、整備や改修を進めてほしいと思います。