毎日のお勤めお疲れ様です。
不動産投資初心者の方のために物件検索から購入までの流れを詳しく解説します。
本記事は②現地確認・業者見積について、物件のどこを見たらよいのか?業者への見積はどうしたらよいのか?について深堀りします。
①物件検索・利回り |
②現地確認・業者見積 |
③積算価格・買付証明 |
④売買契約・登記設定 |
この記事を書いている私は、副業しながらのサラリーマン歴4年ほど。
現役副業サラリーマン(一級建築士)として働く傍ら、法人を設立しコインランドリー事業、アパート経営、築古戸建再生事業、サロン事業を経営しています。
本業プラスアルファの副業を始めることで、将来的に“福”業に変わることを夢見て、恥ずかしげもなく実体験を伝えていきたいと思います。
あなたのお悩みに“ネコノテ”お貸しします。
現地に行って建物や土地の状況を確認しよう
昨年からの不正融資問題などにより、マンションやアパートなどの1棟物の投資などは融資の規制が厳しくなっており、何割かの自己資金を投入しないといけないなど新規参入の障壁は高くなっています。
それに代わるように築古戸建投資が金額も少額で参入しやすく、DIYブームも相まって盛んとなっています。
月数万円を稼ぎたいサラリーマンの方であれば副業にはもってこいだと思います。
ただし、築古戸建は安ければよいというわけではなく、安いだけの理由が必ずあります。
ここを見落とすと大きな損害になります。
安く購入できたと喜んだのも束の間、後悔することのないように十分ご注意ください。
再建築不可
・多い例が勝手に増築されており、容積率や建蔽率などがオーバーしているパターンです。
適法にするのであれば違法部分を解体するなどの必要があります。
・昔ながらの住宅が密に配置されている地域などでは、道路に接道していないため、現在の建築基準法では建て替えることができない物件もあります。
その場合は既存を修繕し、使い続けるしか方法はありません。
将来的に、隣などの接道している土地を購入し、土地が一体とできれば道路に接道した価値のある物件となることもあります。
道路に有効に接道していれば、解体して新築するのも可能になります。
・私道に接道している場合には、将来の解体や建て替えの際に、私道を管理する近隣の了解はとれるかも確認しておきましょう。
自分の前の私道は工事車両は通行させないなど揉める場合があります。
再建築不可の状態だと価格は安いですが、融資の担保とはならないことが多いです。
修繕して住居として貸出できる見込みや経験があれば実践することは可能です。
周囲の環境
・山や崖などで土砂災害警戒区域に指定されていないか?
・海岸や河川の近くのため、高潮や浸水の恐れがないか?
・近くに寺や墓地がないか?
・スーパーやコンビニ、学校などはあるか?
・駅からの距離は?駐車場は確保できているか?
・近隣に反社会勢力やクレーマーの住民がいないか?
など、遠方などで土地勘がない場合には十分に確認が必要です。
災害の危険については市町村が作成しているハザードマップなどが大変有効です。
物件の周辺にある不動産会社に相談するのもよいと思います。
物件の状態
・境界杭の位置は明確であるか?
・売却理由は何か?相続か?
・入居者の状況は?いつ頃から利用していない(空き家)なのか?
・家賃はいくらか?家賃の滞納はないか?
・売りに出されてからどのくらい経過しているのか?
・過去に建物の修繕はあるか?
・公図、謄本や確認申請書などの書類はあるか?
・年間の固定資産税・都市計画税はいくらか?
・不動産取得税はいくらぐらいになるか?
・事故物件ではないか?
→不動産業者に確認しましょう。入居状況・家賃・修繕履歴については”レントレール(家賃明細表)”という資料をもらうようにしてください。
事故物件の可否は、”大島てる”という事故物件公示サイトにて過去の事件、事故が確認できます。
建物の劣化状態
・雨漏れはないか?
→張り出し屋根の軒天井や室内の天井を確認しましょう。場合によっては天井裏から確認することも大切です。
・鳥の巣(ハチの巣)
鳥の巣がある場合には糞などで建物の劣化にも影響します。
また撤去作業は大変ですので確認しておいてください。
・水回り
→お風呂、キッチンやトイレの状態を確認しましょう。
周囲に水漏れがないかの確認も大切です。
築古の場合には給水管が鉄管などで老朽化している場合もありますので水道は全て開いてみましょう。
・建物の傾き
→床の傾きの基準として
〇新築の家なら「3/1,000以内」 角度表記:0.17度以内
〇中古住宅なら「6/1,000以内」 角度表記:0.34度以内
上記の数値が、家の傾きの許容範囲とされています。
「3/1,000」とは、1,000ミリ(1メートル)につき3ミリ傾いている状態のことです。
仮に部屋の一辺の長さが3,600mm(3.6メートル)の場合
3,600×3/1,000=10.8
つまり、部屋の手前と奥を比較して11ミリ以内の傾きであれば、新築住宅の許容範囲内と判断できます。
水平器などで状態を確認し、場合によってはレーザー水平器や傾斜の簡易計測方法(ホースに水をいれて確認)などで確認します。
気になる場合には施工業者に相談しましょう。
外部の腰壁の状態を確認して沈下や亀裂などがないかも確認しましょう。
・外壁塗装
→外壁を指で触ってみます。手に白い粉のようなものがつけば、塗装が必要な状態です。一般的にチョーキングと呼ばれます。
あと、ペットボトルで水をかけてみて、外壁に染み込むようであれば塗装したほうがよいです。
シーリング(外壁と外壁の間のゴムのようなもの)も触ってみて、固くなって劣化していた場合には打ち直す必要があります。
・白アリ
→外部の腰壁などに”蟻道”がないか確認しましょう。
室内の床を踏んでみて、ブヨブヨした感触がある場合には、湿気で腐食しているか、白ありが浸入している場合がありますので、床をはがして確認しましょう。
調査道具
・スマートフォン
→道案内、周辺の店舗検索、カメラ、動画、コンパス、照明ライト、録音、計算機など機能が充実しており大変優秀です。
・水平器(床などの傾きを確認)、アプリを利用すればスマートフォンも活用できます。
・メジャー5m(部屋の寸法を確認)
・スチールテープ20~50m(敷地や建物の寸法を確認)
・打診棒(外壁や腰壁がモルタル仕上げの際に、表面を棒でこすると、音で浮きが簡易に診断できます。音が正常な所と浮き部とでは、はっきりと違うので試してください)
【ポイント】
既存の確認申請図がある場合はいいですが、ない場合には不動産業者が作成している間取り図を持参して、実際の間取りを確認し、各室の寸法を測って記載しておくとよいです。
寸法などがあれば、施工業者もいちいち細かく測る手間が省かれます。
この施工業者の手間を少しでも省いてあげるという行為は大切です。
初心者であっても、その気持ちが伝わりますからね。
私の利点としては設計の仕事をしているので、その場で寸法を測り、自分で平面図を作成し、改修範囲とおおよその改修予算を検討し、把握することができます。
忙しい施工業者によっては、見積作業は後回しにされることが多いので1カ月程度待たされることもあります。
その間に、他の人に物件を購入されるのは悔しいですしね。
初心者の方は不動産投資の経験者や施工業者と一緒に見学しよう
・新たにいくらで貸し出すのか?
・建物をどこまで直すのか?
管理費、諸経費などは一定金額がかかりますので、修繕費用を抑えることで利回りの改善に大きく影響します。
(利回りについては前回の記事にて確認ください)
初心者の方は建物の劣化状態の確認や、いくら修繕がかかるのかが不明だと思います。
是非、知り合いの不動産投資の経験者や施工業者に付き合ってもらい、現地を確認してください。
施工業者には日当を支払ってでも、最初は一緒に見学し、調査のポイントや工事単価などのアドバイスをもらうことが大切です。
実際に工事を依頼して実績(付き合い)ができれば、次からは施工業者も協力してくれるようになります。
※相手も仕事です。購入した物件の改修見積であれば喜んで対応してくれますが、購入するかどうかも分からない状況で、まして見積だけを依頼して購入できなかったり、止めましたが続くと嫌われてしまいます。
ただし、実際に改修見積をお願いする際には必ず他社(数社)の見積をとり比較しましょう。その際には他社にもお願いしていることを施工業者に伝えてあげることも大切です。
建物の現状の劣化状態を把握したうえで、指値(価格交渉)をして、適正(安全に運営できる)な価格で物件を購入することが重要となります。
このあたりはいろいろ物件を見学していくなかで、すぐに計算できるように勉強し、自分の中で基準を作ることが大切です。
以上で②現地確認・業者見積の解説を終わります。
それではGlory Days!